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外壁の色は「色」ではなく「シリーズ」で決まる

外壁の色を決めるとき、多くの人はまず色から入ります。グレーにするか、ベージュにするか、白にするか。ところが日本の外壁でその順番のまま進むと、途中で必ず行き止まりになります。棚の並び方が、色順ではないからです。

数えられます。メーカー自身が公表している品番と色をそのまま数えると、日本市場で扱われている外壁材は991品、色は913色、そしてそれを載せるシリーズは207種類あります。1シリーズあたりの色数は、平均すると4.6色です。多いところで12色、少ないところで1色しかありません。

同じ住宅の仕上げ後。目地の見える白い大判パネル、濃色の窓まわり、グレーの基礎、軒の深い陸屋根
仕上げ前の2階建て住宅。白い軽量コンクリートブロックがむき出しで、黒いサッシはすでに入り、軒先には垂木が見えている
Before
After
2枚目で白く見えている面は、壁が立ち上がったあとに選ばれたものです。選ばれたのは色ではなく、この目地と面の大きさを持つ板でした。

4.6という数字が意味すること

平均4.6色というのは、色の選択肢が少ないという話ではありません。色がシリーズにぶら下がっているという話です。

日本の棚はそのほぼ全部を窯業系サイディングが占めており、KMEWだけで942品、206シリーズ、864色にのぼります。残りは塗料で、SK化研の1シリーズ49色です。つまり日本で外壁の色を選ぶという行為は、ほとんどの場合、板を選ぶ行為とほぼ同じ意味になります。

板は色だけを持っているわけではありません。目地の割り方、彫りの深さ、石目か木目かレンガ調か、艶の残り方。これらはシリーズごとに決まっていて、色はそのシリーズの中の4色か5色として現れます。だから「同じグレーで、柄だけ変えたい」という要望は、棚の構造上そのまま通らないことが多いのです。グレーを動かさずに柄を変えると、たいていシリーズごと変わり、グレーも別の値になります。

塗料の国の棚と比べると、形がはっきりします

比較の相手は隣の国ではなく、すでに数えてある棚のほうが分かりやすいです。フィンランドでは、Tikkurilaという1つの色見本帳に3,535色が並んでいます。シリーズは1つ、その中の色が3,535。

日本はほぼ逆です。フィンランドの1シリーズの色数に近い数のシリーズがあり、その1つ1つに4色か5色が載っています。

同じ「外壁の色」という言葉が、2つの国でまったく違う作業を指しています。色見本帳の国では、色を先に決めて、あとから塗る面を決めます。シリーズの国では、面を先に決めると、色は数枚のカードに絞られます。海外の記事に出てくる「まず色を決めましょう」という助言が日本で妙に噛み合わないのは、助言が間違っているからではなく、棚の形が違うからです。

「グレーでお願いします」が指定にならない理由

打ち合わせで色名だけを言うと、相手は必ず品番を聞き返します。意地悪ではなく、色名だけでは面が決まらないからです。

同じグレーが、彫りの深い石目のシリーズと、目地の細い平滑なシリーズの両方にあったとします。壁に貼ったとき、この2枚は別の色に見えます。凹凸が影を作るぶん、石目のほうは暗く沈み、平滑なほうは光を返して明るく見えます。値としては同じでも、家の外に立って見える色は同じになりません。

だから指定は、色名ではなくシリーズ名と品番で行います。それが決まると、色も、柄も、目地の見え方も、同時に決まります。逆に言えば、指定できる形になるまで、決めたつもりの色はまだ決まっていません。

決める前に、自分の家で見る

紙のカードは10cm四方で、手元の光の下にあります。実際の壁は数十平方メートルで、空の下にあり、軒の影が半分にかかります。カードで気に入った色が壁で違って見えるのは、まれな失敗ではなく、ほぼ毎回起きることです。

順番としては、シリーズをいくつかに絞り、その中の品番を自分の家の写真に載せて見比べるのが最短です。板の柄と目地まで含めて見えるので、「思っていたグレーと違う」がカードの段階ではなく、まだ何も発注していない段階で分かります。

なお、ここで数えているのは当社カタログに載っている日本の棚であって、日本市場の全部ではありません。どのシリーズがどの仕上げで生産されているかという情報も、公表されている範囲を超えては扱っていません。数えられるのは、メーカー自身が公表している品番と色です。

自分の家の写真で、シリーズと品番のまま確かめられます。GetFacadeは無料で試せます。

最終更新: 2026-09-09

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